都市化、いじめ、理科離れ

都市は人の理想をものの見事に創造したものである。
逆に思い通りにならない部分、よく分からない部分を徹底的に排除したところである。
そこには水木しげるのいう妖怪はすめない。
夏目漱石はイギリスかどこかのヨーロッパに行ったときにこの徹底的に人工物で埋め尽くされた都会を見て、ノイローゼになり「吾輩は猫である」書いたように思える。
  
FF7の神羅もどこかこんなところを感じてファンタジーだと思ったのだろう。あれは我々の都市を分かりやすい形で示したものに違いない。
 
いじめ
とことん徹底的に大多数の共通部分からはみ出ているものを見つけ出して、それを徹底的に排除していくシステム。非常に分かりやすい。
 
理科離れ
小学校の先生がまず理科離れしているらしい。だから教室に水槽や虫籠を置くことができない。教室から自然は排除されていく。結局教科書で習うと、自然を特定の人が言語化した部分でしか触れることができない。直接、誰によっても言語化されていない、その人しかできない観察部分というのは失われる。
 
都市の人は、自分の排泄した汚物を徹底的に自分の体から出たものであることを否定したいらしい。だから赤ん坊のオムツを替えるのもいやなのだ。身体に関わることは生々しい。人間の理想、脳化した都市とは対照的である。